妊活中の方、妊娠中の方で葉酸サプリメントを飲んでいるという方は多いと思いますが、その中身について考えたことはありますか?
実は葉酸サプリに使われる葉酸はどれも同じではありません。最近では、種類によって母体や胎児にとってリスクになる可能性があることも分かってきています。
海外では種類によって記載名が異なるので分かりやすいのですが、日本では全て「葉酸」と一括りにされてしまっているんです。
この記事では、葉酸についてさまざまな論文や資料を読みあさり考察した私が、葉酸を摂るべき理由、推奨される時期や量、おすすめのサプリメントについて解説していきます。
なんとんなく飲んでいるという方にぜひ知って欲しい内容となっているので、最後までご覧ください。
こんな人におすすめ
・なんとなく葉酸サプリメントを飲んでいる
・葉酸サプリの種類やメリット・デメリットを知りたい
・身体にやさしい葉酸サプリメントがあるなら知りたい
この記事を書いた人
葉酸の基礎知識
まずは葉酸の基礎知識をおさえましょう!
妊娠と葉酸の関係
妊娠に関わる重要な栄養と言われて、まず思い浮かぶのは葉酸ではないでしょうか。
葉酸は細胞増殖に必要なDNA合成に関与しており、細胞増殖が盛んな妊娠初期に不足すると、胎児の神経管閉鎖障害の発症リスクが高まることがわかってきています。
葉酸は水溶性ビタミンであるビタミンB群の一種です。数多くの疫学研究から、受胎前後における葉酸摂取により胎児の神経管閉鎖障害(NTDs: neural tube defects)の発症リスクが低減することが報告されました。そこで日本では2000年に厚生労働省から、妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に関する通知が出されました。
厚生労働省 e-ヘルスネット
諸外国の研究結果から、神経管閉鎖障害のリスク低減のための葉酸の摂取時期はおよそ妊娠1か月以上前から妊娠3か月までとされています。
しかし、神経管閉鎖障害は葉酸欠乏だけで起きるわけではないため、葉酸を摂ったからといってリスクがなくなるわけではないとも結論づけられています。
適切な摂取量
厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では以下の量を推奨しています。
通常1日の推奨量240μgに加えて、妊娠初期ではサプリメントで400μg摂りましょうとしています。
また、このサプリメントでの摂取について、「通常の食品以外の食品に含まれる葉酸(狭義の葉酸)を400µg/日摂取することが望まれる」としています。
この狭義の葉酸とは一体何?というところについて説明します!
葉酸サプリメントには種類がある
合成葉酸と天然葉酸
実は、葉酸サプリメントの葉酸にはいろいろな種類があり、代表的なのは2つです。
合成葉酸:モノグルタミン酸型と呼ばれ、石油由来がほとんど
吸収率は高いが、体内で働くには違う形に変換する必要がある
天然葉酸:ポリグルタミン酸型と呼ばれ、植物由来
吸収率は合成葉酸の約半分だが、吸収した後は体内ですぐに働ける
狭義の葉酸はどっち?
先ほど出てきた「通常の食品以外の食品に含まれる葉酸(狭義の葉酸)を400µg/日摂取することが望まれる」という文言。
ここで挙げられているのはモノグルタミン酸型の葉酸です。そのため、日本に出回っている多くの葉酸サプリメントは合成葉酸となっています。
しかし、この合成葉酸にリスクが潜んでいることが研究で明らかになってきています。
合成葉酸のリスク
合成葉酸のリスクは主に3つ挙げられます。
過剰症のリスク
合成葉酸は吸収しやすい性質であることから、過剰となりやすいのです。
日本人の食事摂取基準2020年版では、19〜29歳では900µg/日、30〜49歳では1000µg/日を超えないようにとしています。
食事性葉酸の過剰摂取による健康障害は報告されていません。
子どものぜんそくのリスクを高める?
合成葉酸サプリメントを妊娠後期まで飲み続けた場合、生まれた子どもがぜんそくを発症する確率が約30%高くなるといった論文がある一方で、ほとんど影響はない・軽微であるという論文、親にアトピー性の素因があると、葉酸摂取によって子どもの喘鳴が増えるという論文もあり、はっきりしない部分が多いのです。
日本人は変換がうまくできない?
合成葉酸は体内で働くには違う形に変換する必要がありますが、日本人の約6割がこの変換がうまく出来ない遺伝子を持っているとされています。
吸収されやすくても使えなければ体内に過剰に余ってしまい、子どもの自閉症に繋がるといった見解もあります。
葉酸の代謝遺伝子について
自分が葉酸をうまく変換できる遺伝子を持っているのか、気になってきますよね。
そこで、実際に自分がどの型なのか調べることができる遺伝子検査キットを使ってみました。
説明書の手順通りに、頬の内側をこすって送り返すだけの簡単な検査で、結果は約2週間で出ます。※WEBレポートのため、結果が郵送で送られてくるわけではありません。
私はC /C型といって日本人には約3割しかいない、葉酸の変換がうまくいきやすい遺伝子を持っていました。
ということは合成葉酸のリスクの影響を受けにくい体質ともいえます。このように遺伝子検査を受けた上で、合成葉酸のサプリメントを使用するのであれば安心ですが、していない方が圧倒的に多いですよね。
ということで、わざわざ検査しなくても安心なサプリメントとその理由をご紹介していきます。
おすすめのサプリメント
私がおすすめするサプリメントは食品由来、つまり天然葉酸です。
過剰になるリスクがなく、変換がうまくしにくい体質の方でも安心して使用することができるからです。選ぶ時の5つのポイントを詳しく解説していきます。
天然葉酸である
食品由来の葉酸の中でもレモンなどの柑橘由来のものは、すでに体内で働きやすい形になっています。
しかし柑橘類には防カビ剤が使用されることがほとんどなので、オーガニック原料であることも重要です。
有用な配合量
天然葉酸は合成葉酸に比べて吸収率が約半分です。
そのため、妊娠初期に必要な葉酸400μg (合成で)を摂取するには天然葉酸では800μg必要ということになります。
妊娠に必要な他の栄養も摂れる
妊娠に必要な栄養は葉酸だけではありません。栄養はチームで働くものです。
単体の栄養素だけ一生懸命とるのではなく、鉄やビタミンB群、ビタミンC、カルシウムも一緒に摂れる製品がおすすめ。
栄養を摂ることは、子どものためだけではなく、ママのつわり対策にも有効です。
遺伝子組み換え原料不使用
遺伝子組み換え作物の技術は、長い歴史の中でまだ始まったばかりではっきりとしたことは分かっていません。
遺伝子組み換え作物を食べることにより、免疫疾患や不妊などさまざまな健康被害が出るという調査結果も報告されているので、避けられるところは避けたいものです。
コーティング剤などの添加物不使用
一般的にサプリメントには多数の添加物が使用されます。
敏感な時期だからこそ、身体に不要なものは含まれない製品を選ぶようにしましょう。
これら全てを網羅した、理想のサプリメントがこちら!
漢方製薬のメーカーが、「やさしさ」を追求した商品で安心です。
まとめ
本記事では葉酸サプリメントの落とし穴、合成と天然の違いについて説明しました。
特に重要な部分をおさらいしましょう。
- 神経管閉鎖障害のリスク低減のための葉酸の摂取は、妊娠1か月以上前から妊娠3か月までが有効とされている
- 葉酸には種類があり、合成と天然に分けられる
- 合成葉酸にはリスクがあるとされ、葉酸代謝遺伝子などが関わっている
- 万人におすすめできるのは食品由来の天然葉酸である
たくさんの製品が出回っていますが、製品の数だけ品質の差や配合成分の組み合わせが存在します。
好きな芸能人が宣伝しているから、ネームバリュー、広告の謳い文句に惑わされずに自分に合った商品を選択しましょう。
私のおすすめは「やさしい葉酸」です!
限定クーポンを使うと初回980円でお試しできます。
いつでも解約・休止がOKなので、気になる方はぜひお試ししてみてください。
※インスタ限定クーポンと表示されますが、こちらのブログも適応です。
日本人の食事摂取基準 2020年版
日本食品標準成分表 2020年版 (八訂)
令和元年 国民健康・栄養調査報告
妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針 令和3年3月 厚生労働省
自閉症が増えた本当の原因と葉酸活性化経路の関係 宮澤賢史 2020年3月26日
ハンス・コンラート・ビーザルスキ 「ポケットアトラス栄養学」 2014年11月20日